介護について考えよう

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体を痛めずに介護するためには、全身をくまなく動かせる事が条件になります。言葉にすれば簡単なことですが、実際の私たちの動きは、腕や脚といった部分的な動きになっているため、全身を上手く使い切れていないことが多いのです。部分的な動きになっていると、肩、腰、膝に負担も集中していき、体を痛めることにつながっていきます。
前回まで、上半身と下半身の連動性を高める動きを行ってきましたが、今回はその総まとめとなる、全身の連動性を高める動きを紹介します。

 一見すると、腕だけを動かしているように思えます。しかし、この動きは、腕だけでなく、肩、背中、胸、腹、脚と、部分ではなく全身が協力し合って、腕の動きを引き出しています。つまり、スポーツで言えば、単独プレーからチームプレーに変わった動きと言えるでしょう。一人がどんなに頑張ったとしても、出来る働き、力は限られます。しかし、全員が協力しあえたら、その働きは足し算から掛け算に変化するように、大きなものとなります。
ポイントは上半身の動きと下半身の動きをばらばらでなく、同時進行で行います。だんだんと行ううちに、上半身と下半身が関連しあって動いていることが実感できるようになってくるでしょう。漠然と行わず、一つ一つの動きを意識しながら全身が動いてくることをチェックします。その際に腕を伸ばそうとして、腰を反らせてしまう方がよくいますが、それでは腰を痛めてしまいます。逆に背中から腰を丸めるようにすると、腰に負担がかかりにくくなるばかりか、上半身と下半身の連動性も高まりやすくなります。
最初は写真のように椅子に座りながら行い、動きになじんできたら、座らずに行ってみるとよいでしょう。しかし、無理は禁物。無理のない範囲でだんだんと動きを引き出してください。
体のチームプレーがこの動きを通して感じられるようになると、介護技術の動きも、形は変えずとも質が向上するようになります。また、介護のみならず、育児や日常生活の動き、介護予防、スポーツなど、体を使うこと全般の基盤が、この全身の連動性を高める動きで育むことが出来てきます。

【1】肩甲骨を広げながら腕を伸ばすのと同時に椅子へ腰を下ろしながらつま先を広げていく。

【2】肩甲骨を寄せながら腕を戻し、立ち上がりながらつま先を閉じていく。ゆっくりと10回程度行う。

【3】動きがなじんできたら、椅子無しでも行ってみよう。

【4】腰を下げる動きは無理の無い範囲で行なう。

監修:岡田 慎一郎 古武術介護の提唱者 岡田慎一郎公式サイト