介護について考えよう

TOP > 介護コラム

 介護をされている方の代表的な悩みと言えば、誰もが腰痛を挙げるでしょう。そして、腰痛の予防として大事なのが、負担がかかりにくい姿勢を知ることなのです。

   最初に私達が良い姿勢と思っている、いわゆる「気をつけ」の姿勢をとってみましょう。するとかえって腰への負担が集中してしまうことに気がつきまつきます。なぜならば、胸を張り、背筋を伸ばすと、腰が反ってしまうからです。例えば、積み木をカーブを描いて積んだならば、すぐに崩れてしまうようになります。つまり構造的にもろいのです。また、気をつけの姿勢のまま歩こうとしてみると、まるでロボットのように動きにくくなります。実は、気をつけの姿勢は、精神的、文化的に良い姿勢であり、実際に動く際には適さない姿勢なのです。

   それでは、腰に負担がかかりにくく動くことに適した姿勢はどのような姿勢なのでしょうか。考え方はとてもシンプルです。積み木を崩れないように積むのには、真っ直ぐ積めば良いということです。実際の姿勢としては、リラックスした状態で、肩の力を抜き、膝を曲げ、骨盤と腰骨を真っ直ぐにするようにします。この姿勢をとると腰にかかる負担はかなり軽減します。

   実はこの姿勢、私達は日常の中で無意識に活用しています。それは寝ている時です。仰向けに寝ていると、腰に反りがあるため負担がかかってきます。その時に、両膝を曲げると骨盤と腰骨が真っ直ぐになった結果として腰への負担が軽減します。

  また、スポーツでも、胸を張り背筋を伸ばした姿勢では動きにくいため、肩の力を抜き、膝を曲げ、骨盤と腰骨を真っ直ぐにした状態で、行われています。ボクシング、バスケットボール、バレーボールなど、様々な競技にこの姿勢の応用がなされています。

    介護の場合、車椅子やベッドからの移乗動作時に腰を痛める方が大変多くいます。その時に腰が反っていたり、逆に丸まっていたりと、骨盤と腰骨のポジションが崩れていることが大きな原因の一つと言えます。腰に負担がかかってきたなと感じたら、ぜひ、骨盤と腰骨を真っ直ぐにして、負担軽減をはかってみてください。

     また、日常生活で段ボール箱や布団などを持ち上げる時にも、この姿勢を意識して取り入れてみると、腰痛予防と動きの質の改善が同時に実践することが出来るようになります。

■気をつけの姿勢では腰が反るため、負担が集中してしまう

■骨盤と腰骨を真っ直ぐにすると、腰にかかる負担が軽減する

 

監修:岡田 慎一郎 古武術介護の提唱者 岡田慎一郎公式サイト