えらべる倶楽部独占インタビュー Vol.7

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元TBSアナウンサー Yoshikawa Miyoko 吉川美代子さん

2014年5月、ひとりのアナウンサーが定年退職をしました。

吉川美代子さん。フリーになるアナウンサーが多い中で、TBS一筋37年間を勤め上げた彼女に、一企業で働くということ、そして社会人としてのアドバイスを伺いました。

プロフィール

1954年神奈川県生まれ。幼少期よりTBSラジオに親しみ、学生時代は放送部に入部。早稲田大学教育学部を卒業後、憧れだったTBSに入社する。『JNNニュースコープ』『JNNニュースの森』といった報道番組で司会を務めるなど、女性アナウンサーとして第一線で活躍。在勤中にTBSアナウンススクールの校長として13年間、後進の育成にあたる。TBS退職後、アナウンサーやタレントのマネジメントを行うキャスト・プラスの取締役に就任。著書に『ラッコのいる海』(立風書房)、『愛される話し方』(朝日新書)がある。

元TBSアナウンサー Yoshikawa Miyoko 吉川美代子さん

吉川さんにとって、「定年まで勤め上げること」とは、どんな意味を持っていたのでしょうか?

●もともとTBSラジオが好きで、子どもの頃、ラジオから流れるアナウンサーの声をよく聴いていました。誰もが小さな頃に思い描く純粋な夢、それが私の場合、アナウンサーだったのです。中学では放送部に入り、大学はマスコミ系に強いとされていた早稲田を選び、自然とそうした道を選んで徐々に夢をたぐり寄せ、叶えました。実際にアナウンサーになれた喜びは定年まで消えることはありませんでしたから、勤め上げることは当たり前だったともいえます。

 「フリーになる」、「アナウンサーを辞める」ということは考えもしませんでしたね。長く勤めていればもちろんつらいこともありましたけど、それ以上に「好きで選んだ仕事」という喜びが勝っていました。

好きだから仕事を続けられたということですね。

●そうです、「好きこそものの上手なれ」ということだと思います。子どもの頃から、興味を持ったことに手を出してみて、「向いていないな」と思ったらすぐにやめて、その分好きなことに対して時間を使う、そんなタイプでした。だから好きなことは続くんです。

 あとは、根底に「仕事に対するリスペクト」がないと続かないと思いますね。私が入社した当時、渡辺謙太郎さんら日本を代表するスポーツアナウンサーがいました。優秀な先輩たちを見ていると、スポーツ選手やスタッフ、そしてファンなどに対するリスペクトを感じるんです。どんな仕事でも、根底の部分でリスペクトできれば、嫌なことがあっても努力できたり頑張れたりするものです。

なぜTBSだったのでしょうか?

●やはり幼少期からTBSに親しんできたからですね。あと「TBSこども音楽コンクール」というラジオ番組で、出場していた自身の学校のブラスバンド部を、放送部員として紹介する機会があったんです。そのとき、TBSアナウンサーの山本文郎さんに「未来の吉川アナウンサーですね」と言ってもらえて、すごくうれしかったのを覚えています。

 そして、TBSの面接のカメラテストのとき、パッと前を向いたら山本文郎さんがいて、運命を感じました。そのとき、事前に準備していた原稿内容を変えて、このラジオのエピソードなどを話しました。

改めて振り返ってみて、あらためてどんなアナウンサー生活でしたか?

●最初の10年間は、常に全力投球でしたね。

 「報道」を志望していたので、毎日新しい情報に接して、時代の流れを感じていました。ただ、最初の5年間は、「女性が報道なんて」という風潮があり、なかなかニュースを読ませてもらえなかったです。「努力しても報われないんだ」、そんな風に考えたこともありました。

 でも一方で、私の努力を支えてくれる人、見ていてくれた人もいました。そして『ストレートニュース』などの番組を担当させてもらえるようになったのです。

 10年間は、それこそ休み中も朝から晩まで働いて……という状態だったので、30代になったとき、「少し他の世界を見てもいいかな」と思い始めました。

 そんなとき、私がもともと海洋生物、特にラッコが好きなことを知って、ある出版社の方が「新しくラッコの写真集を作るので、写真につけるコメントを書いてみないか」と声をかけてくれたんですね。私は、やってみようと思いましたが、「ただ写真にかわいいコメントをつけるのは嫌だな」「専門家から正しい知識を学んだ上で、ラッコの魅力を伝える本を書きたい」と思いました。だからまず、海洋ほ乳類の研究をしている、京都大学や北海道大学の著名な教授の名前をリストアップしました。そしていろいろな方をあたっていくうちに、日本鯨類研究所の理事長をされていた長崎博士にたどりつき、アメリカの高名な研究者を紹介してもらえました。実際にその先生に会いに、シアトルまで取材をしに行きました。

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講演会情報
【第2次募集期間】お申込は2014年11月7日(金)まで

主な経歴

1977年
TBS入社
1984年
『JNNニュースコープ』でキャスターを務める
1990年
『JNNニュースの森』で週末のキャスターを務める
2000年
『CBSドキュメント』で2010年まで10年間、ナビゲーター役に
2001年
TBSアナウンススクール校長に就任
2014年
5月にTBSを退社、キャスト・プラス取締役に就任
プレゼント
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お申込は11月7日(金)まで